酔って雪道を走っちゃダメ!絶対!!しかも夏用サンダルで!第2話
ほろ酔いでサンダルで夜の雪道を走って滑って転んで脚を複雑骨折した話。第2話。
「助けてーーー! 誰かいませんかーーー!?」
・・・・・しーん。
叫んでも、応える声はありません。
万事休す。絶体絶命。今の私にピッタリな言葉はこれだな。・・・いや、そんなこと考えてる場合じゃないし。
ああ・・・家には幼い子供がいるのに。
なかなか戻らない私を心配しているだろうか・・・。
なんとかこの状況を伝えたいけれど、こんな時に限って携帯は家に置きっぱなし。(その頃、まだガラケー全盛期)
私のバカバカー。
・・・と、その時。
一筋の光が!!!
遠くに宅急便の車が停まったのです。
私は出せる限りの声で助けを求めました。
私に気が付いた宅急便のお兄さんは、急いでワタシのもとへ。
「大丈夫ですか?どうしたんですか?」
「転んで脚が折れて動けないんです!!すみません、家に子供がいるのでなんとか連れてきてもらえませんか?あと、どこかに携帯があるんで、それもお願いします!!」
「わかりました!」
駆けていく宅急便のお兄さん。
その後ろ姿を見つめながら、ああ、救急車も呼んでもらえばよかったと思いつつ、見知らぬ男がいきなり家の中に入ってきたら子供たちはどんな反応をするだろう・・・と考える私。
知らない人についてっちゃダメよ~と教育してしまっているではないか。
・・・がんばれお兄さん!うまいこと言いくるめてくれっ!!
さあ、どのくらい時間が経ったことか。待てども待てども宅急便のお兄さんも子供たちも姿を見せません。
知らない人にあっさりついて来られてもね・・・まあそのうち来るだろう。
↑ 携帯が見つからず必死に探す宅急便のお兄さんと知らない人が家に入ってきておびえる子供たち
そうしているうちに、雪の上に突っ伏したままの私の体はガタガタ震えだし、脚はズガンズガンと痛み、いよいよ耐え難くなってきました。
すると、人通りの少ないこの道にまた1人、おじさんが通りがかったのです。
私を見るなり、
「あんた、大丈夫か!?救急車よんだの!?」と駆け寄ってきてくれました。
「まだです・・・。」
小さい声で答えると、
「えっ!!大変だ!!すぐ呼ぶから待ってなさい!!!」
よく通る大きな声ですぐに救急車を呼んでくれました。
あんなに助けを呼んでも誰も来なかったのに、おじさんの大きな声でポツリポツリとギャラリーが集まってきました。
どうか誰もサンダルに気づきませんように・・・。
そしてようやく宅急便のお兄さんが子供を連れてきてくれました。
泣きわめく次男。なだめる長男。
ギャラリーたちより遠くにいるのはなぜ???
びっくりしちゃったのかなあ。
宅急便のお兄さんがなかなか来なかったわけは、知らない人についてっちゃいけないという私の教育が行き届いていたわけではなく、ただ単に部屋が散らかってて携帯が見つからなかっただけでした。(恥)
救急隊が到着して応急処置を施され、ようやく救急車の中へ。
しかし、このドタバタ劇はこれだけでは終わらなかったのです。
第3話へ続く。